試算表、読めてますか?小規模法人の社長が最低限見るべき3つの数字
⚠️ 試算表を受け取って満足していませんか?
「税理士から送られてくるけど、正直どこを見ればいいか分からない」
──そんな社長は少なくありません。
結論から申し上げます。試算表は難しい会計知識がなくても、見るべき数字を3〜4個に絞れば十分に経営判断に使えます。逆に、試算表を「税理士に見せるための書類」だと思って自分では確認していないと、資金繰りの悪化や税負担の急増に気づくのが遅れます。
この記事では、数字が苦手な社長でも押さえられる試算表の見方を、専門用語をできるだけ避けながら解説します。
SECTION 1
試算表とは?決算書との違い
試算表とは、決算を待たずに「今月時点」での会社の成績をまとめた資料です。決算書が1年に1回、事業年度の締めくくりとして作成されるのに対し、試算表は毎月または数か月おきに作成され、期中の経営状況をリアルタイムに近い形で把握するために使われます。
構成は決算書とほぼ同じで、大きく「貸借対照表(会社の財産と借金の状況)」と「損益計算書(一定期間の儲けの状況)」の2つに分かれます。決算を迎えてから「こんなはずじゃなかった」と慌てないためにも、試算表は期中の経営の健康診断書として活用するのが本来の使い方です。
ポイント:
試算表は「税理士のための書類」ではなく「社長が今の状況を知るための書類」です。すべての科目を理解する必要はなく、見るべき数字を絞ってしまって構いません。
SECTION 2
【失敗事例】試算表を見ていなかったことで起きたトラブル
【失敗事例1】利益が出ているのに資金が足りなくなった
損益計算書上は黒字なのに、売掛金の回収が遅れて手元資金が枯渇。試算表の貸借対照表を毎月見ていれば、売掛金残高がじわじわ膨らんでいる異変に数か月前から気づけたはずでした。
【結果】
支払いのために急きょ借入を行うことになり、想定外の金利負担が発生しました。
【失敗事例2】決算直前に想定以上の税負担が判明
期中の利益状況を確認していなかったため、決算の2か月前になって初めて「想定より数百万円も利益が出ている」ことが判明。この段階では打てる節税策がほとんど残っておらず、納税資金の準備が間に合わない事態になりました。試算表を3か月ごとにでも見ていれば、決算対策を検討する時間を確保できたはずです。
【共通する落とし穴】
どちらの事例も、試算表自体は毎月作成されていました。「作られているのに見ていなかった」ことが問題の本質です。全部を理解しようとせず、次章の3つのポイントだけでも確認する習慣があれば防げたケースです。
SECTION 3
数字が苦手な社長が見るべき3つのポイント
POINT 1
現金預金残高(貸借対照表の一番上)
会社の「今使えるお金」がいくらあるかを示す最も基本的な数字です。前月と比べて急に減っていないかだけでも毎月チェックしましょう。
POINT 2
売掛金の残高(貸借対照表)
まだ回収できていない売上代金です。月商の2〜3か月分を大きく超えて増え続けている場合、回収漏れや取引先の支払い遅延が起きている可能性があります。
POINT 3
当期純利益(損益計算書の一番下)
期首からこれまでの累計の儲けです。決算の3〜4か月前の段階でこの数字が想定より大きい場合、納税額が想定以上に膨らむ前兆なので、早めに決算対策を検討するきっかけになります。
SECTION 4
試算表はいつ・どのくらいの頻度で見ればいい?
理想は毎月1回、試算表が出来上がったタイミングで5〜10分だけ目を通すことです。前章の3つの数字を前月・前々月と見比べるだけでも、異変への気づきが大きく変わります。
| 頻度 | 見るべきこと |
|---|---|
| 毎月 | 現金預金残高・売掛金残高が前月から大きく動いていないか |
| 3か月ごと | 累計の当期純利益が想定ペースか、資金繰りに問題はないか |
| 決算3〜4か月前 | 着地利益を予測し、決算対策を打つ時間があるかを確認 |
SECTION 5
試算表を見て「危ない」と気づくべきサイン
【要注意サイン】
- 現金預金残高が3か月連続で減少している
- 売掛金残高が月商の3か月分を超えて積み上がっている
- 当期純利益が前年の同時期と比べて大きくズレている(良い方にも悪い方にも要注意)
これらのサインが出た場合、原因を自己判断で放置せず、早めに税理士へ相談することで対応の選択肢を広げられます。
SECTION 6
試算表に関するよくある質問(FAQ)
Q. 試算表と決算書、数字は完全に一致しますか?
決算整理(減価償却費の計上や税金の計算など)を経て初めて正式な決算書の数字が確定するため、試算表の利益と決算書の利益は多少ズレるのが一般的です。
Q. すべての勘定科目を理解しないといけませんか?
現金預金・売掛金・当期純利益の3つの動きを追うだけでも、経営判断に必要な情報の大部分はカバーできます。細かい科目の意味は、気になったタイミングで税理士に確認すれば十分です。
SECTION 7
まとめ:3つの数字だけでも毎月見る習慣を
試算表は難しい会計用語を全部理解する必要はありません。「現金預金」「売掛金」「当期純利益」の3つの数字を毎月チェックする習慣をつけるだけで、資金繰りの異変や税負担の急増に早く気づけるようになります。
- 毎月: 現金預金・売掛金の残高を前月と比較する
- 3か月ごと: 累計利益のペースと資金繰りを確認する
- 決算3〜4か月前: 着地利益を予測し、決算対策の時間を確保する
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