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その決算、棚卸を「適当」に済ませていませんか?在庫ゼロ申告の思わぬ代償とは

⚠️ 「今期は忙しいから在庫チェックは省略しよう」と思っている経営者の方へ

「だいたいの感覚で在庫を申告すればいい」
──そう思い込んでいませんか?

結論から申し上げます。棚卸を適当に済ませると、利益の数字そのものが正しく計算できず、税額が過大にも過小にもなり得ます。

「在庫を数える作業」は、決算のなかでも地味で後回しにされがちな作業です。しかし決算日時点の在庫金額は、その期の利益に直結する重要な数字です。この記事では、なぜ棚卸が必要なのか、そして棚卸をしないとどうなるのかを分かりやすく解説します。

法人決算の棚卸(在庫確認)と在庫ゼロ申告のリスク


1. 決算で「在庫を数える」とはどういうことか

商品や材料を仕入れて販売する事業では、決算日時点でまだ売れずに残っている在庫(商品・製品・原材料など)の金額を確定させる作業が必要です。これを「棚卸」と呼びます。

棚卸とは:
決算日時点で実際に倉庫や店舗にある在庫の数量を数え、金額に換算する作業のこと。会計上「棚卸資産」として貸借対照表に計上する。

仕入れた商品はいったん経費(仕入高)として計上されますが、決算日に売れ残っている分は「経費ではなく資産」として扱い直す必要があります。この調整をするために、実際に数を数える棚卸が欠かせません。


2. 【実例に近いケース】棚卸をしなかった会社に起きたこと

「今期は忙しかったので、前期と同じ在庫金額を使い回した」というケースは実務上少なくありません。次のようなことが起こり得ます。

【よくあるケース】

ある小売業の会社では、決算のたびに実際の棚卸をせず、前期末の在庫金額をそのまま帳簿に転記していました。
数年後、税務調査が入り、帳簿上の在庫金額と実際の在庫量に大きな差があることが判明しました。

【結末】

複数期にわたって利益の計算が誤っていたとして、過去にさかのぼって修正申告を求められ、過少申告加算税や延滞税が発生する事態となりました。

「面倒だから省略する」という判断が、後になって数年分の申告のやり直しにつながることがあります。


3. 棚卸をしないと利益・税金がどう変わるのか

在庫金額は、以下の式で売上原価(=経費として利益から差し引ける金額)を決める重要な要素です。

売上原価の計算式:
期首在庫金額 + 当期仕入高 − 期末在庫金額 = 売上原価

期末の在庫金額(=棚卸の結果)を正しく把握しないと、この計算式全体が狂います。具体的には次のような影響が出ます。

在庫の実態 申告への影響
実際より在庫を少なく計上 売上原価が過大になり、利益が本来より少なく申告される(税務調査で修正・追徴課税のリスク)。
実際より在庫を多く計上 売上原価が過小になり、利益が本来より多く申告され、必要以上に納税してしまう
棚卸そのものをしない 上記いずれかの誤りが毎期積み重なり、金融機関からの決算書の信頼性にも影響する。

4. 要チェック!棚卸でつまずきやすい3つのシチュエーション

① 決算日ぴったりに棚卸ができない

営業を止めずに棚卸を行うのが難しい場合、決算日の数日前後に実施し、その後の入出庫を記録して決算日時点の数量に補正する方法もあります。事前にご相談いただければ、無理のない棚卸のタイミングをご提案できます。

② 不良在庫・売れ残りをそのままの金額で計上している

型落ち品や長期間動きのない在庫を、仕入れた時のままの金額で計上し続けているケースがあります。実態に応じて評価額を見直す必要がある場合もあります。

③ 前期の在庫金額をそのまま使い回している

「去年と大きく変わらないはず」という感覚での転記は、実態とのズレが積み重なる原因になります。毎期必ず実地での確認を行うことが基本です。


5. 棚卸資産の評価方法と会社への影響

数えた在庫を「いくらの金額にするか」にはいくつかの評価方法があります。代表的なのが原価法低価法です。

【見落としがちなポイント】

  • 原価法:仕入れた時の原価をそのまま評価額とする方法(追加の届出なしで使える原則的な方法)
  • 低価法:原価と決算時点の時価を比べ、低い方を評価額とする方法(届出をすれば選択可能)

在庫の価値が下がりやすい業種(アパレル、季節商品など)では、低価法を選択することで実態に近い決算書を作れる場合があります。どちらが自社に合うかは、業種や在庫の性質によって異なります。


6. 棚卸に関するよくある質問(FAQ)

Q. 在庫がほとんどないサービス業でも棚卸は必要ですか?

A. 販売用の在庫を持たない業種では、棚卸資産の計上自体が不要な場合が多いです。
ただし、消耗品や仕掛中の案件がある場合は個別の判断が必要になりますので、事前にご確認ください。

Q. 棚卸を毎期きちんと行っていれば、それだけで税務調査のリスクはなくなりますか?

A. リスクをゼロにはできませんが、大きく軽減できます。
実地棚卸の記録(棚卸表など)を残しておくことで、金額の根拠を示せるようになり、調査対応もスムーズになります。

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