ひとり社長の月次決算|毎月30分で確認したい経営数字
ふじはら会計事務所は小規模企業・個人事業主の支援に特化した会計事務所です。
048-442-8146

受付時間(平日):9:00~18:00

コラム

Column

ひとり社長の月次決算|毎月30分で確認したい経営数字

⚠️ 決算書を年に1回しか見ていないひとり社長のあなたへ

「会計は申告のための作業。会社の数字は、決算のときに税理士から聞けば十分」
──そう思っていませんか?

結論から申し上げます。月に一度、30分だけ自社の数字を確認する習慣があれば、「想定外の納税」や「気づいたら資金不足」はほぼ防げます。

一人法人では、営業も現場も経理も社長ひとりの仕事です。日々の業務に追われて帳簿は後回しになり、会社の成績を知るのは期末から2か月後の決算のとき……というケースは少なくありません。

しかし、決算書が出てきた時点で打てる手はほとんど残っていません。この記事では、ひとり社長でも無理なく続けられる「月次決算」の考え方と、毎月30分でチェックしたい6つの経営数字を解説します。

ひとり社長・一人法人の月次決算で確認したい経営数字


1. 決算書を年1回見るだけでは「手遅れ」になる理由

決算書が完成するのは、通常は期末から約2か月後です。年1回の決算だけに頼ると、期首の取引であれば1年以上前の数字を、後から知ることになります。

【よくあるケース】

コンサル業のひとり社長。通帳残高が少しずつ増えていたので「今年もこんなものだろう」と安心していました。
ところが決算を締めてみると想定の倍以上の利益が出ており、法人税等と消費税を合わせて約250万円の納付が必要になりました。

【結末】

手元資金では足りず、納税のために急きょ借入れを検討することに。期中に利益の伸びに気づいていれば、納税資金の積立てや決算前の対策など、打てる手はいくつもありました。
※ 説明のためのモデルケースです。

数字を後から知るほど、選べる選択肢は減っていきます。


2. ひとり社長の月次決算は「毎月30分の数字チェック」で十分

月次決算とは:
毎月の取引を締めて帳簿に反映させ、その月までの売上・利益・資金の状況を把握すること。法律上の義務ではなく、経営判断のために行う「社内の決算」です。

上場企業は毎月かなりの手間をかけて月次決算を行いますが、ひとり社長が同じことをする必要はありません。目指すのは「申告のための正確さ」ではなく「判断のための速さ」です。

細かい按分や1円単位の正確さは、決算で整えれば足ります。翌月の中旬までに、8割の精度で自社の数字が見られる状態をつくることが、会社の月次管理の第一歩です。


3. 毎月確認したい6つの経営数字

毎月チェックするのは、次の6項目だけで構いません。

チェック項目 見るポイント 要注意サイン
① 売上高 前年同月・目標との比較、取引先ごとの内訳 3か月連続で減少/1社への依存が大きい
② 粗利 売上から原価・外注費を引いた額と、その比率(粗利率) 売上は伸びているのに粗利率が下がっている
③ 固定費 役員報酬・家賃・通信費・サブスク・保険料など毎月かかる費用 使っていないサービスの支払い/じわじわ増加
④ 現預金残高 毎月の固定費の何か月分あるか 固定費の3か月分を下回る
⑤ 未収・未払 入金予定日を過ぎた売掛金、未払の経費・社会保険料・源泉所得税 入金遅れの放置/支払の積み残し
⑥ 税金見込み 法人税等・消費税の概算額 納税資金を確保していない

【「通帳の残高=儲け」ではありません】

  • 残高には、お客様から預かった消費税が含まれている
  • 未払の経費や、半年分まとめて納める源泉所得税(納期の特例を受けている場合)が控えている
  • 今期の利益に対する法人税等は、決算後にまとめて支払う

ひとり社長が本当に「使ってよいお金」は、ざっくり「現預金 − 未払金 − 税金見込み」です。この感覚を毎月持てるかどうかが、資金繰りの安定を大きく左右します。


4. 30分で終わらせる月次管理のルーティン

毎月の作業時間は「記帳の確認10分+数字チェック15分+メモ5分」が目安です。ひとり社長の経理を続けるコツは、次の3つです。

① 銀行・カードは会計ソフトと連携し、記帳を溜めない

クラウド会計の自動連携を使えば、入力の手間は大きく減ります。領収書や請求書も月末にまとめて処理し、翌月10日ごろには帳簿が締まる流れをつくりましょう。

② 毎月「同じ表」で、前月・前年同月と比べる

6つの数字を1枚の表に並べ、見る場所を固定します。単月の数字よりも「前と比べてどう変わったか」のほうが、ずっと多くのことを教えてくれます。

③ 数字の「理由」を一言メモしておく

「売上減は大型案件の端境期」「固定費増はPC購入」など、一言で十分です。決算時や税理士との打ち合わせ、翌年の計画づくりで大きな手がかりになります。


5. 月次の数字が「経営の武器」に変わる3つの場面

月次の数字がそろうと、会計は「申告のための作業」から「経営の判断材料」に変わります。特に効果が大きいのが次の3つの場面です。

場面 月次の数字があると
役員報酬の決定 役員報酬は原則、事業年度開始から3か月以内に決めた額を1年間変えられません(定期同額給与)。前期の月次推移と今期の見込みがあれば、根拠をもって金額を設計できます。
決算前の対策 決算月の2〜3か月前に着地見込みが分かれば、設備投資のタイミングや納税資金の準備を前もって検討できます。決算月を過ぎてからでは、打てる手はほとんどありません。
融資・資金調達 金融機関からは直近の試算表を求められるのが一般的です。毎月締まっていればすぐに提出でき、「数字を把握している社長」として信頼にもつながります。

ひとり社長には、社内に相談できる相手がいません。だからこそ毎月の数字を「経営の相談相手」にしていただきたい、というのが私たちの考えです。


6. ひとり社長の月次決算に関するよくある質問(FAQ)

Q. 記帳を税理士に任せていても、月次決算はできますか?

A. できます。ポイントは「毎月締める」ことです。
年に1回まとめて資料を渡す方法では、期中の数字は見られません。通帳データや領収書を毎月共有し、月ごとに帳簿を締めてもらう体制にすれば、社長は数字のチェックに集中できます。

Q. 税金の見込みは、どうやって計算すればよいですか?

A. 最初は概算で十分です。
法人税・住民税・事業税をあわせて、利益のおおむね2〜3割強を目安に確保しておくと安心です。赤字でも法人住民税の均等割(最低でも年7万円程度)はかかり、消費税の課税事業者であれば消費税の納税分も別途必要です。また、前期の法人税額が20万円を超えると法人税の、前期の消費税額(国税分)が48万円を超えると消費税の中間申告・納付が必要になるため、資金繰りに組み込んでおきましょう。
※ 制度・金額は執筆時点(2026年10月)のものです。個別の試算は専門家にご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください

経営のお悩み、ひとりで抱えていませんか?

ふじはら会計事務所では税務・会計はもちろん、資金繰りや今後の事業計画まで経営全体を見据えたご提案をいたします。まずはお気軽にお話しください。

こんなお悩みはありませんか?

✓何から相談すればいいのか、そもそも分からない
✓今のやり方が正しいのか、専門家の目で確認してほしい
✓費用感やサービス内容を、契約前に知っておきたい

ふじはら会計事務所では、税務・会計に関するご相談を随時承っております。どんな小さなことでも、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ひとり社長の月次決算をテーマにした、カレンダーと決算・税務書類を確認する社長のアイキャッチイメージ

L
I
N
E
で
の
お
問
い
わ
せ